手動式真空ポンプ


真空ポンプの特徴

医工の手動式真空ポンプは、古くからプロの先生方にご愛用されてきた信頼と実績のあるポンプです。

ポンプを片手で操作できる医工式手動ポンプの機構は、片手で簡単に操作できるカップ上部の逆止弁と相まって施術の利便性を格段に引き上げました。ポンプの形状については、後発の海外の他社製手動式ポンプにも採用されているようで、現在では業界標準の形になっています。

手動式ポンプは取り扱いに優れているので、移動時や吸い玉・カッピングを補助の施術にご使用になる場合等に便利です。

また、ご家庭で1週間に一回程度ご使用になる場合は、手動式でも充分な場合も多いです。

ハンドポンプQ

医工の手動式ポンプの特徴

手動式ポンプの歴史は古く、William Brockbank『Ancient Thereutic Arts』によると、西洋では16,7世紀にはバルブを利用した金属製のものが存在したようです。ただ残念ながら使い勝手が悪く、主流となることはなかったようです。また、未確認ながら東洋でもかなり古い時代から竹製の水鉄砲のような機構を持つ手動式ポンプが利用されていた可能性はあります。

いずれにしろ、あくまでも火を使って吸引する吸い玉・カッピングが主流であり、手動式のポンプが本格的に利用されるようになるのは戦後の日本においてでした。

手動式ポンプはいくつかの形が考案されていましたが、医工前会長・宮本猪八の手によって開発された医工式の手動式ポンプは、片手でポンプ操作ができる点で優れていたため、手動式ポンプの業界標準となっております。

医工の手動式ポンプは片手で操作できるのはもちろんのこと、更に優れた特徴を持ちます。空気を吸い出し閉じ込めるといった機能を持つ真空ポンプを製作する上で重要な点がいくつかあるのですが、その中でも特に重要な点があります。それは工作精度です。医工の製品は日本製で日本の技術者によって製作されていますので、この工作精度が非常に高いです。そこから以下の特徴が生まれます。

  • 手動式でありながら約-70kpaの到達真空度を持ちます。
  • 吸引時に空気の戻りによるロスがほとんどないため、少ない回数で吸引できます。
  • 安心の日本製なので引き手が軽く、疲れにくいです。

このような特徴を持つため、往診時など移動の多い先生や吸い玉・カッピングを補助的に使って施術をする先生の場合はもちろんのこと、ご家庭でお使いになる場合でも、医工の手動式ポンプは吸引時の労力を少なくします。


業務での手動ポンプと電動ポンプの選択について

ハンドポンプQ

業務で施術のメインに吸い玉・カッピングをなさる先生の場合、電動式ポンプをお勧めします。

業務で手動ポンプをメインに使用し、連続吸引や、強い圧力の常用をすると、引き手に掛かる圧のバランスに極端な差が生じ、それが蓄積すると破損の原因になり得ます。おそらく医工の手動ポンプの引き手が軽いため、手が疲れる前に多くの回数を引けてしまうことにも原因があるかと存じます。

単純に引き手の強度を増すだけならば簡単なのですが、軽さと両立するために改良をし続けた結果が今現在の形状・バランスとなっています。これはご高齢の方や握力の弱い方でも、できる限りお使いになれるようにと考えてのことです※。

逆に言うと、業務で手動ポンプをお使いの先生で引き手部分が破損するという場合は、電動ポンプに交換する目安と考えていただきたいです。そういった場合は概ね、電動ポンプをお使いになったほうが吸引力、吸引スピード、排気量、すべての面で有利であり、施術の質の向上にもなり得ます。なによりも、やはり手動ポンプは数多くのカップを吸引しますと疲れます。

先生方の施術スタイルによって、手動ポンプでなければならないといった場合は、できるだけ引き手をバランス良く引くようお願いします。バランス良く引くことでポンプの寿命を長くします。

医工の手動ポンプをご愛用いただいている方の中には10年、20年とお使いの方もいらっしゃいます。医工としては多くの方が末永く使っていただきたく、手動式ポンプの前面にシールを貼っています。ご使用の際には時折、ご覧いただければ幸いです。

※できるだけ引き手を軽く引けるように調整はしていますが、それでもやはりある程度の握力は必要です。日常生活の中で握力に不安を覚える方には、電動ポンプをお勧めします。